臨床心理士とは、心理職のうち、文部科学省認可の財団法人「日本臨床心理士資格認定協会」が認定する「臨床心理士」資格を持つひとのことをいいます(「臨床心理士」資格取得のための要件については、財団法人日本臨床心理士資格認定協会、一般社団法人日本臨床心理士会のホームページをご参照ください)。
それでは、心理職とは何かというと、臨床心理学を基礎とした対人援助を専門の仕事にしているひとのことです。一言で言えば、臨床心理学を基礎とした相談や支援のプロ(専門家)のことです。
相談やカウンセリングは、べつに臨床心理士や心理職の専売特許ではありません。友人や看護師に話を聴いてもらってよかったという体験のある方は、おおぜいおられることでしょう。しかし、臨床心理学のプロには、下記のような、プロならではの良さもあります。
それでは、臨床心理士は、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。
クライエント(来談者/相談に訪れた方)から、今困っておられることや、今までどんな状況におられたかなどについて詳しいお話をおうかがいしたり、また、子どもさんの場合には、一緒に遊びながら、様子を拝見したりします。また必要に応じて、各種の心理検査を行うこともあります。それらをふまえて、その方が抱えておられる「心理課題」が何なのかを見立て、どのような支援が必要なのか、たとえば、次に挙げる臨床心理面接が適当なのか、医療機関を受診する必要があるのかどうか、他により適当な機関があるかどうかなどを説明し、今後の方針を、クライエントと一緒に話し合って決めていきます。
「心理課題」を解決していくために、カウンセリングや心理療法、心理指導などを行うことをいいます。カウンセリングというと、「悩みを話したら、カウンセラーがアドバイスしてくれる」というイメージを抱く方も多いかもしれませんが、実際は、少し異なります。どのカウンセリングや心理療法の流派にも共通しているのは、クライエントが、自分自身で納得のいく解決方法を見つけていけるように、じっくりとお話をおうかがいするということです。ひとりで悩んでいるときは堂々巡りになってしまうことでも、セラピストとのやりとりを通して、自分の中の考えが徐々に整理されていき、それまで見えていなかったことに気づくことがあります。子どもさんの場合には、遊びという形を通して、気持ちを表現してもらう遊戯療法という方法がよく用いられます。カウンセリングというイメージとは異なる、クライエントの必要に応じてプログラムを組み、練習するといった方法や、グループワークを通して、「心理課題」の達成を支援している臨床心理士もおおぜいいます。
「心理課題」を解決するためには、クライエントと会うだけでなく、必要に応じて、たとえば児童・生徒さんであれば、ご本人の了解をとって担任の先生と話して連携をとるなど、周りのひとびとや環境への働きかけも行います。また、メンタルケアについての講演会や広報を通じて地域社会や組織への啓蒙活動を行うのも、大切な仕事です。